2011年11月24日

『デザインセンスを身につける』|ウジトモコ

こんにちは、セミナーパーソナリティー・D介です。

「視覚マーケティング」を提唱するウジトモコさんの新刊が発売。ツイッター上の評判も良く、早速購入して読みました。

前作『売れるデザインのしくみ -トーン・アンド・マナーで魅せるブランドデザイン』は、企業担当者向けにデザインマーケティングを説く内容。それに対して今作は、個人がデザインに大幅に関与する時代の判断基準のあり方を説く内容になっています。

折しも、今の仕事でデザインの理解が重要になる新規ツールの開発が多く入ってきました。私個人は個人としての勉強を続けていますが、社内でこの分野の共通理解を持つことは前々から非常に難しい状態にありました。

本書では、個人としてデザインの機能を理解するための内容が満載。ソーシャルメディア・企画書づくりなど身近なシーンを題材にしたり、アップル・グーグル・スタバなどの先端企業の研究も紹介されています。

早速、朝のミーティングを使って信頼おけるチームのメンバーにも共有。技法の話はもちろん大事ですが、デザインの本当の「機能」について迫っている本は少なく、その意味で著者が生み出す情報は大変貴重です。



デザインセンスを身につける (ソフトバンク新書)デザインセンスを身につける (ソフトバンク新書)
ウジ トモコ

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●著者プロフィール
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ウジパブリシティー代表。アートディレクター。広告代理店および制作会社にて三菱電機、日清食品、服部セイコーなど、大手企業のクリエイティブを担当。1994年ウジパブリシティー設立。デザインを経営戦略として捉え直し、採用、販促、ブランディング等で飛躍的な効果を上げる「視覚マーケティング」の提唱者。ビジュアルディレクターとして数多くの企業の新規事業開発、事業転換期のデザイン戦略を立案。視覚戦略を駆使したパフォーマンスの高いクリエイティブに定評がある。


●本文要約
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【1】個人でもソーシャルメディアのアイコンにこだわる意義
  ・ソーシャルメディア上でのアイコンの見え方・見せ方

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【2】デザインを規定しているメインの技法
  ・黄金比・三分割法
  ・アングル
  ・色
 
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【3】プレゼンテーションのデザイン
  ・キービジュアル
  ・フォーマット
  ・フォント
 
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【4】デザインとマーケティングの関係性
  ・アイデンティティのデザイン
  ・シンプルに作りこむ
  ・アップルについての分析
  ・グーグルについての分析


●立ち読みのポイント
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【1】キーカラーの決定方法 ―93P
  ・選ばない色を決める←→競合が使っていない色から選ぶ(一色訴求戦略)
  ・イメージの全体像を決める←→組み合わせの印象で選ぶ(パレット訴求戦略)

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【2】よいデザインの定義 ―110P
  ・結局、つくり手にとってのよいデザインとは自分にとって都合のいいデザインのことです。つくり手の中でもどの部分を担当するかによって課題は変わるものの、それぞれの課題に対して最もよく応えているものがよいデザインということになります。

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【3】だめな企画書の典型 ―122P
  ・これは特に企画書づくりに長けている人たちの間で比較的目にするもので(ウェブインテグレーターなどや一部の広告代理店などでもよく見かけます)、「絶対に読みきれない分厚いプレゼンシート」というのがあります。
   緻密に書かれていて、データも豊富なのですが、結局何のことをいっているのかわからない、わかりづらい仕様になっているのです。読む人のためというよりは、つくっている人のためのプレゼンシートといっても過言ではありません。また、悪い使用方法でいえば、いわゆる「けむにまく」ための手法です。

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【4】デザインとマーケティングの関係性 ―144P
  ・一方、多くの日本企業は、製造部分の利益率が高く、両端が低い。「モノづくり」についていえば、日本のそれは世界に誇るレベルのものであるにもかかわらず、コンセプト、ブランド、デザイン、マーケティングなどの部分で連携した戦略が打ち出せなかったのです。
   つまり「いいものをつくった」→「売れ」というような、製造計画(が先)→営業促進(が絶対)という商習慣を、組織が、人が、社会が変えられなかったことと強く関係しているというのです。
  ・ところが残念なことに、「営業促進(売るノウハウ)」の強さが実質上イノベーションへの妨げとなり、コンセプトの立案は「前例がないから」、ブランディングは「売り上げに直ちに反映されないから」、デザインは「お金がないから」という理由で、多くの組織が未だに導入できずにいます。
  ・マーケティングは期待する未来(いわゆる価値創造)への架け橋ではなく、ノルマ達成のための「売れる事例データベース」になっており、ここでもまた、イノベーションから遠ざかる結果になってしまっています。


●所感
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企業でちらしやパンフレットなどの制作物をつくる際、必ずといっていいほど「コストダウン」から話が入ります。「いくらお金をかけずに」それを済ませられるか、という視点です。

自分はこの考え方が昔から大嫌いで、「(予算内で)必要なものにお金をかける」という投資の視点を大事にしてきました。ツールのディレクションに携わる人なら共感いただけると思います。

ツールありき・デザインありき、ではなく、どの企業活動のために・どんなツールやデザインが必要なのかを、関係者の共通理解としたいなら、ウジさんの著作は最高の引用効果をもたらしてくれます。


タグ:デザイン
posted by D介 at 22:30 | Comment(0) | 【ビジネス書評】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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